紙の持つ無限の可能性に挑戦
ペーパーアーティスト
紙龍こと月森和也さん
紙龍こと月森和也さん

1.作品つくり

作品  僕の作品は、見ていただく対象としては子どもさんが多いです。
紙で作ったかぶり物なんかは子どもさんはすごく喜びますね。
「飾って終わり」ではない部分が面白いです。
 をメインに作っていますが、基本的には紙でしたら何でも作ります。
最近は花や妖精を作ることも多くなりました。
「こういうのは作れない?」とよく聞かれるんですけど、僕は作れないとは絶対言わなくて、「がんばりまーす」って言って挑戦してます。
 ですが、直線的な紙で生き物の曲線はなかなか作れないんです。
パーツをずらしたり、紙を切ったり貼ったりしてなんとか曲線を表しますが、いかに生き物らしさ躍動感が出せるか、紙にどれだけ表情を与えられるか、がポイントになるでしょうか。
 紙という素材は、身近で親しみやすいから見てもらう人も入り込みやすいと思うんです。
お客さんに「おもしろい」「へぇ、これどうやって作ってあるんだろう」と喜んでいただけるのがすごく楽しいです。
お子さんが「僕も作りたい」って言ってくださることも多いんですけど、そういうのも嬉しいですね。
作品  僕が和紙にこだわるのは、素材として一番いきいきしてて、「紙」とわかりやすいのが和紙だと思うんですね。
この作品の羽に使ってある赤い和紙と同じ和紙を、台の黒い紙の上に貼ってあるんですが、こんなふうに使い方で表情が全く違うようになるんです。
それも魅力の一つですね。
 一番大きい作品では4メートルくらいのがあります。
一枚の紙では弱いですけど、何枚も重ねて重ねて貼り合わせていくと強度が出るんです。
でも、それが限界だと思います。
 まったくの独学で、作品は設計図(展開図)なしで作ります。
絵も描けないので、キャラクターなどは書いてある絵を見ながら作っていきます。
作っていくうちに、もうちょっと目をこうした方がかっこいいんじゃないのかなぁとか、新しい発見や次への目標が見えたりします。
最初にイメージしていたのものが作っている中でどんどん進化していったりして、自分でも作っていて楽しいですね。
でも、満足している作品というのは未だにないんです。

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2.自分にしかできないもの

 紙でのものつくりは、物心ついた頃の折り紙からが始まりです。
折り鶴、カブト、紙飛行機…。
それが高じて難しい昆虫や怪獣を作り、中学生の頃には、稲沢の折り紙教室に通うようになりました。
そこの先生には折り紙以外の紙の作品の作り方、切り絵だとか、そういうのを全部教えていただきました。
もともと怪獣モンスターが好きでしたから、紙でそういうのが作れないのかな、と高校時代に作り始めたのが今の作品の始まりです。
僕にとって紙が一番作品を作りやすい。
というか、ずっと作っているので、それ以外の素材というのは考えられないんです。
作品  工業高校を卒業して就職したものの、仕事は全然アートとは無関係、誰にもできる工場でのライン作業でした。
働きながら、「自分にしかできないものはないのかな、絶対あるはずだよなぁ」と、ずっと考えていました。
それで、アートの関係に少しでも近づける職業に就けたらいいな、と一念発起して一年後に専門学校のインテリアデザイン学科に入ったんです。
 ペーパーアーティストとしてやっていこうと思ったのは、'05年に賞をとった時。 専門学校の1年生の時でした。
 趣味でペーパーアートを制作していることを知っててくださった先生に、「ライブマーケット」に出てみないかと言われて、初めて出品してグランプリをとっちゃった。
このときのグランプリの副賞が、ナディアパークで個展が開けるというものでした。
その個展を開くために学校もバックアップしてくださって、制作用の教室を一つ用意してくださったんです。
これは一生懸命やるしかない!
僕も個展までの一年間はかなり頑張りました。
ここで根本ができた、という感じでしたね。

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3.ペーパーアートとボイスパーカッション

 同じ頃、一方ではバンドのメンバーとしても活動していたのですが、音楽とクラフトが両立できなくなって…
それで、音楽の方は趣味に押さえて、ペーパーアートを主軸に。
 10月の名古屋市長者町でのイベントでは、ペーパーアートだけでなく、音楽でも出演します。
ボーカル、ピアノと共に、ボイスパーカッションとして演奏します。
ボイスパーカッションはマイクさえあればどこでもできるので、紙さえあればどこでもできるペーパーアートと共通していますよね。
作品  以前、音楽のイベントで出会ったお客さんがたまたま個展会場の館長さんで、よかったらで個展をやらないか、と声をかけていただいて、そこで個展をやらせていただいたこともありました。
 ペーパーの方で根をつめて「ああ疲れたぁ?」と思ったら音楽で気分転換して。
でも逆に、音楽(ボイスパーカッション)はもういいかなと思ってペーパーの方に戻ると新しい作品が生まれたり。
いい意味で両立しているのかな?
自分でも良い感じで作用していると思っています。

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4.これから

 今制作中なのが完成予想では2メートルくらいの、真っ白なでっかい作品で、ゲームに出てくるボスのようなやつ。
ちょっと方向性を変えて、もう少し自分の好きなものも作ってみようかな、って思って。
 その作品は、いろんなところに出品する予定ですけど、11月のクリエイターズマーケットでは、ダークブースっていう、ちょっと暗い部屋で出展します。
紙の質感が分かりやすいように、少しの灯りだけで紙の影を作って展示しようと思っています。 
 そして今、一番の目標は海外で展示すること。
昨年、ニューヨークで展示しているんですけど、グループ展だったので、「わぁーっとみんなで行って展示」という感じだったんです。
その時に、僕は小さい作品が2つ売れたんですけど、海外に自分の作品が2つあるんだ、と思うと今でも嬉しくて、頑張ろう!って思えるんです。
でも、まだまだペーパーアーティストとしては新人です。
今は表現力見せ方をもっと勉強したいです。
もっともっと上のレベルにいきたいですね。
(名古屋市在住)

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5.つきもりかずや・プロフィール

'05年

10月 ライブマーケットグランプリ受賞

'06年

2月 【鉄龍 銀龍 紙龍】グループ展に参加
10月 ナディアパークにて初個展

'07年

6月 クリエーターズマーケットvol16 作品賞3位
8月 【紙の温度】第1回個展
12月 クリエーターズマーケットvol17
    ヴィジュアルデザイン担当 作品賞1位

'08年

3月 名古屋広小路【広小路祭】 参加
4〜6月 愛知県安城市【デンパーク】 長期個展
8月 【紙の温度】第2回個展
9月 丸栄【手しごと6人展】 参加
10月 東京都代官山【戦国ART祭】第二陣 参加

'09年

6月 クリエーターズマーケットvol20 アートバトル 10位入賞
10月 ニューヨークのグループ展に参加
10月 東京都代官山【戦国ART祭】第三陣 参加
公開日:2010年8月31日
最終更新日:2010年8月31日

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